海苔の語源とは?
“ノリ(海苔)”という語は、ヌルヌルするという意味の「ヌラ」が変化してできたものといわれています。
平安時代には「紫菜」と書いて「ノリ」と呼んでいたが、その後地方により呼び名が変わり、紫は、ノリの色をあらわしており、江戸時代に現在の「海苔」と呼ばれるようになりました。
海苔はいつ頃から食べられるようになったのですか?
海苔そのものは、古代より食用として用いられたようで、
大宝2年(西暦702年)に施行された大宝律令の中では、朝廷への調(みつぎ:現在の税金)として海産物29種の1つに指定されていました。
平安時代の出雲風土記に“紫菜は、楯逢郡がもっとも、優る”とのっていることでもわかります。
この頃は、原藻のまま食べられていたようでありますが、現在行われているように紙状に伸ばして食べられるようになったのは江戸時代からであります。これは当時、浅草川で抄いた浅草紙の製法をまねて浅草紙の型につくったのがはじまりといわれています。
海苔の単位「帖」
アサクサノリの製造方法が浅草紙の抄き方を参考にしたため、紙の単位に用いられている「帖」になったという説が有力です。
アサクサノリと浅草紙の創始地はともに浅草で、隅田川の源流を利用したことなど両者の関係が深い上、アサクサノリの抄製開始年代が浅草紙より遅いことから上記のように言われています。
海苔に表裏はあるの?
上記のように、海苔は和紙を作るのと同じ製法で作られています。
この製法は、江戸時代に開発され、「海苔抄き」と呼ばれ、現在の海苔作りでも使われています。
細断された海苔は水と一緒に海書簾の上で抄き上げられます。
このとき、海苔簾に接する方が「ザラザラした面」となります。
一般的には、「ツルツルしている面」が表、「ザラザラしている面」を裏で、おにぎりや手巻きずしを作るときは、海苔の「ザラザラしている面」をごはんの面に合わせると口当たりが良く、キレイにできあがります。
海苔の大きさは決まっているのですか。
A.縦21cm、横19cmが全国統一サイズとなっています。
海苔は、どうしておいしいの?
海苔には日本料理の味の下地となる代表的なうま味成分がすべて含まれている。このため、ご飯との相性がよい。
昆布 | グルタミン駿 |
鰹節 | イノシン酸 |
干し椎茸 | グアニル酸 |
えび | アデニル駿 |
なぜ、海苔を焼くと緑色になるの?
海苔の色素成分は、大きく分けて緑藻素(主にクロロフィル)、紅藻素(フィコエリスリン)、
藍藻素(フィコシアニン)に分類され、このほかに黄藻素(力ロテノイド)などが含まれる。
この中で緑の色素は水に弱く、湿気を含むことにより分解され、残つた赤と青の色素で紫色になる。
また、焼いた場合は熱に弱い青と赤の色素の大半が分解されるので、熱に強い葉緑素の緑色が焼海苔の色として識別される。
しかし、時間の経過とともに、残存する青と赤の色素が変性し、緑色が少し茶色っぽい色に変化する。
海苔をおいしく保存するコツは?
●一度容器から出した海苔はなるべく戻さないこと。
一度容器から出した海苔を戻すと他の全部の海苔を湿らせてしまい、味を落とす原因となります。普段は、海苔を小分けして、手早く必要な枚数だけを出せるように、小出し用の缶を手元にお置きする事をお薦めします。
●乾燥した状態を保つこと。
密封容器に乾燥剤を入れたうえ、湿度のあまり上がらない冷暗所や冷蔵庫に保存することをお薦めします。(長期保存の場合は、冷凍保存がのぞましい)
●冷蔵・冷凍保管した海苔は、容器が外気に馴染んでから開封すること。
冷蔵 ・冷凍庫に入れておいた海苔を急に外気にさらすと、あっという間に空気中の水分を吸って湿ってしまいます。そのため、容器は室温に戻してから開封する事をお薦めします。
●湿気った海苔をアレンジして?
湿気った海苔は再び元の状態へは戻りません。程度にもよりますが、傷んでいないようでしたら、簡単でシンプルな、海苔の佃煮や韓国風味付海苔を作ってみられてはいかがでしょうか。
●湿気った海苔はどうしたら良いの?
海苔は高温多湿の場所を避けて冷暗所に保存するのがおすすめです。
特に湿気には弱いので、一度開封したら乾燥剤と一緒に密封できる保存容器(チャック付きのポリ袋などなるべく空気が入らないもの)に入れて早めに使い切ります。
焼海苔は乾燥しており微生物の繁殖しづらい食品なので、未開封であれば賞味期限が過ぎたものであっても特に問題がないことが多いと考えられています。ただし、未開封でも賞味期限を大きく過ぎると湿気てしまったり、風味が落ちたりすることも。できるだけ早く食べることをおすすめします。
海苔はいつから離乳食に使えますか?
海苔は離乳食後期から与えることができるとされています。そのまま与えると喉に貼りつくことがあるため、柔らかく煮込んであげるとよいでしょう。
海苔の種類
1:海苔(一般的な海苔)
焼海苔、味付海苔などに加工される一般的な海苔。
紅藻のウシケノリ科に属するグループのうち、主にスサビノリ、アサクサノリの2種が養殖されて原料となっている。
2:岩のり
岩に付着している天然のノリを採取したもの。
紅藻のウシケノリ科に属するグループのうち、スサビノリ、オニアマノリ、ウップルイノリ、マルバアマノリなど。
3:韓国海苔
岩海苔が主な原料として使われる。細かな穴が開いていることが多い。
ごま油と塩で調味されている。
4:青海苔
たこ焼きやお好み焼きなどに振りかけられる。
緑藻のアオサ目・アオサ科に属するアオノリが原料とされる。同様の用途で使われるアオサも同じアオサ科の仲間。